断想

この2年、私は何をしてきたのだろう。
精一杯、仕事をしてきたつもりなのだ。
そして、世界は何も変わっていない。
多くの人が亡くなって、
そのことを、私たちは、忘れている。
いずれ、思い出すための企図さえも疎んじられるだろう。
仕事は加速度的に忙しくなるが、
それを拒絶せず、引き受けることが、
生きている自分の仕事なのだと思ってきた。
いま、私は、私を包み込む死者のただ中で、
思い切り息を吸い込む。
そして、あらためて息を吐き出す。
息のできぬ人にかわって、
私はそうしたいのだ。