2009-12-01から1ヶ月間の記事一覧

対話の哲学

村岡晋一『対話の哲学─ドイツ・ユダヤ思想の隠れた系譜』講談社、2009年 私たちはいかにして私たちの世界を、そこで大切にされるべき価値観を、共に形成していくことができるのだろうか。(12月27日の最後の引用を受けて。)同じ大学に勤める同僚や同じ…

21世紀の教養

芹沢一也・荻上チキ編・飯田泰之他『日本を変える知─「21世紀の教養」を身に着ける』2009年、光文社 芹沢一也・荻上チキ編・飯田泰之他『経済成長って何で必要なんだろう?』光文社、2009年 経済(学)と思想とは、必ずしも相性が良くない、と感じる。 も…

希望を捨てる勇気

池田信夫『希望を捨てる勇気』ダイヤモンド社、2009年 問題に向き合うということが、最も困難な問題だ、と思う。 問題に置かれた人が少ない、などということではない。 多くの人間が問題に直面し、にっちもさっちもいかなる状況に置かれている。にも関わらず…

人としてあること

坂部恵『和辻哲郎 異文化共生の形』岩波現代文庫、2000年(原、1986年) 第二章の「人としてあること」を紹介する。 冒頭、著者は和辻哲郎の「面とペルソナ」という一文の引用からはじめる。この和辻のエセーは、仮面と人格の関係を主題とした文章である。 p…

生きる意味

上田紀行『生きる意味』岩波新書、2005年 あっという間に12月。相変わらずののんびり更新です。 この間、私は風邪をひいて少し寝込むときもありましたが、皆さんどうかくれぐれも気をつけてください。 「私たちがいま直面しているのは「生きる意味の不況」…