2015-01-01から1年間の記事一覧

人文社会系の適正な規模とは(続き)

昨日に引き続き、今度は大学院段階における専攻分野別構成をみてみよう。資料は引き続き、「教育指標の国際比較」(平成25年)による。なお、大学院段階については、独の数字はないので、露の例を引く。 日本 英国 仏国 露国 韓国 人文・芸術 9.2 11.4 28.4 …

人文社会系の適正な規模とは

人文社会系の学部の廃止・転換に関する文科省の通知についてどのように考えたらよいのか。この問題を考えるための基本的な事実を確認しておきたい。 文科省の通知とは以下のとおりである。 「人文社会科学系学部・大学院については、18歳人口の減少や人材…

21世紀のHumanities(続き その2)

「21世紀のHumanities」に関連して。 文科省の高等教育政策に問題がないわけではないけれでも、やはり、日本の人文学の弱さがどこに起因するのかを反省し、進むべき方向性を確認しておくことは、大事なことだと思う。 この問題を考える手がかりとして、ここ…

21世紀のHumanities

昨日、私の所属する大学院が主催する「21世紀のHumanities」というタイトルのシンポジウムに、シンポジストの一人として参加した。時間がたりなくなり、結局、自己紹介の後は、フロアからの質問一件に対する回答しかできず、シンポジストとしては面目ない次…

有色の聖母を見る(21世紀のHumanities 続き)

「なぜ、クリスマスを祝うの?」 「お祭りだから。」 「一体、何のお祭り?」 「キリストが誕生したことの。」 「なぜキリストが生まれたことを祝うの?」 「救い主だから。」 「あなたはキリストが救い主だと信じているの?」 「いや、信じているわけではな…

国立大学から人文社会系学部がなくなってしまう(?)

大学をめぐる出来事がニュースで扱われるようになってきた。 でも、大学に関する出来事(文科省の方針等)がニュースになって伝えられるころには、すでに方針は既定であるため、メディアを通した公共的な議論が大学政策に反映されるということにはならない。…

課題協学にふれて

私が務めている大学では、一年生必修の科目として「課題協学科目」というものがある。 学生は、講堂で授業テーマの説明を聴き、くじびきで順番を決めて、希望のクラスを選択する。1テーマあたり150名のクラスを学部混成で編成する。この150名をさらに50名の…

再開のあいさつ(趣旨の説明)

ながらくこのページを閉鎖していましたが、このたび再公開(再開)することといたしました。今後は、趣旨というほどの明確なことは定めず、時の流れにまかせつつ、徒然に、書きたいことを書きたいと思います。 かつてのように、図書の引用を必ず取り入れると…