2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

モダニストとしての空海

渡辺照宏・宮坂宥勝『沙門空海』ちくま学芸文庫、1993年(筑摩叢書版、1967年) 竹内信夫『空海入門 弘仁のモダニスト』ちくま新書、1997年 ある事情から、空海に関心をもち、幾つか本を買い求めた。 空海に関しては、司馬遼太郎の『空海の風景』しか読んだ…

日本人の宗教性

山折哲雄『近代日本人の宗教意識』岩波書店、1996年 「人の生くるはパンのみに由るにあらず、神の口より出づる凡ての言に由る」 これは、荒野において四十日四十夜断食し、悪魔に試みられたイエスのことばとして、よく知られている(新約聖書マタイによる福…

偶像崇拝

M.ハルバータム/A.マルガリート『偶像崇拝 その禁止のメカニズム』大平章訳、法政大学出版局、2007年 だいぶ日が経ってしまったけれども、前回の日記では、想像力が人間にとってきわめて重要な精神の働きで、子どもの成長にとっても不可欠らしい、とい…

架空物語を愉しむ権利

チュコフスキー『2歳から5歳まで 普及版』樹下節訳、理論社、2008年 だいぶ前に中学のころからの友人と話をしている時のこと、子育てのために何をしているか、という話になった。 絵本を読むぐらいかな、と言うと、父親として先輩の彼は、本当は絵本はあま…