2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

市場と幸福(2)

アルバート・O.ハーシュマン『方法としての自己破壊 <現実的可能性>を求めて』(田中秀夫訳)法政大学出版局,2004年[原著,1995年] 昨日に引き続いて,ハーシュマンの本の第20章「民主的市場社会の柱としての社会的紛争」を紹介する。 本論文の初出は…

市場と幸福(1)

アルバート・O.ハーシュマン『方法としての自己破壊 <現実的可能性>を求めて』(田中秀夫訳)法政大学出版局,2004年[原著,1995年] 最近の日記(1月14,15,22日)でふれている論点(内発的発展,真言密教など)から,日本の伝統的な文化に基づ…

内部の分裂から外部の分裂へ

鶴見和子『南方熊楠(みなかたくまぐす)』講談社学術文庫,1981年[原著,1978年] 先週(1月14,15日)に引き続き,鶴見和子の著作より。本書は,昭和54年に毎日出版文化賞を受賞した作品である。 「南方は,その生き方においても,関心の方向にお…

内発的発展論

鶴見和子「最終講義 内発的発展の三つの事例」ほか,『鶴見和子曼荼羅IX 内発的発展論によるパラダイム転換』藤原書店,1999年 昨日に続いて鶴見(敬称略)の「内発的発展論」を紹介する。 鶴見の「内発的発展論」は,「近代化論」に対するアンチテーゼであ…

僻地から思考する

鶴見和子「南方曼荼羅—未来のパラダイム転換に向けて」,『鶴見和子曼荼羅IX 内発的発展論によるパラダイム転換』藤原書店,1999年 もう一昨年前のことになるが,文科省に申請する教育研究のプログラム案を考えていたときに,鶴見和子氏の「内発的発展論」に…

雀よりも価値がある

新約聖書『ルカによる福音書』第12章 (聖書には,日本聖書協会「新共同訳」「口語訳」など各種の翻訳がある) 年末年始,様々に飛び交うニュースを聴いては,不安や恐ればかりを大きくさせてしまったというようなことはないだろうか。 小泉政権下で構造改…