me and my blog

21世紀のHumanities

昨日、私の所属する大学院が主催する「21世紀のHumanities」というタイトルのシンポジウムに、シンポジストの一人として参加した。時間がたりなくなり、結局、自己紹介の後は、フロアからの質問一件に対する回答しかできず、シンポジストとしては面目ない次…

再開のあいさつ(趣旨の説明)

ながらくこのページを閉鎖していましたが、このたび再公開(再開)することといたしました。今後は、趣旨というほどの明確なことは定めず、時の流れにまかせつつ、徒然に、書きたいことを書きたいと思います。 かつてのように、図書の引用を必ず取り入れると…

お知らせ

事情により、この日記をながらく放置しておりました。状況が少し変わり、また少しずつ書いていこうと思います。気分一新の意味を込めて、ブログのテーマを変更しました。本日は、とりあえずご報告まで。

コミュニティ

ジェラード・デランティ『コミュニティ─グローバル化と社会理論の変容』山之内靖・伊藤茂訳、NTT出版、2006年(原著、2003年) 前回紹介した「地域創成リーダーセミナー」の第2回(セミナーとしては第1回)が、一昨日の土曜日に行われた。今回のセミナーは…

ヒンドゥー教の人間学

マドレーヌ・ビアルドー『ヒンドゥー教の<人間学>』講談社、2010年(原著旧版1981年、新版1995年) 前期の途中からこのブログを書くことどころか、見ることさえできなくなりました。 毎年毎年、坂を転がり落ちる雪だるまのように仕事が増えていくのを感じ…

偶像について(1)

和辻哲郎「『偶像再興』序言」、『偶像再興/面とペルソナ 和辻哲郎感想集』講談社文芸文庫、2007年 なかなか更新できない日々が続いています。いろいろと考えた末、本ブログの基本コンセプトを維持しながら、もっと簡略に、そしてもっと本の選択の幅を広げ…

草にすわる

白石一文『草にすわる』光文社文庫、2006年 とあるベストセラーの広告に、「生きる意味を探さない」(正確でないかもしれないが・・・)という章題が紹介されているのをみて、もしかしたら、最近のこの日記を続けて読んでいる人に、何か誤解を与えてしまって…

政治のことば(1)

成沢光『政治のことば 意味の歴史をめぐって』平凡社,1984年 新年度がはじまりました。 今までの日記を振り返ってみると,毎回えらそうなタイトルをつけていたと,少し気恥ずかしい思いがするので,この4月からは紹介する書物や論文の題名(あるいはその中…

終末のシンボル的意義

武田泰淳『滅亡について 他三十篇』川西政明編,岩波文庫,1992年 大学は今,春休み。 理系の世界ではこの時期,学会が多いと聞いたことがある。文系の私の関わっている学会でも3月末に支部会が開かれる。そうしたものに関わっている大学の教員(当然だが,…

思想の原罪性

彌永信美『歴史という牢獄 ものたちの空間へ』青土社,1988年 前回(2月8日)少しふれたように,研究室の引っ越し準備のために,何かしら生活が落ち着かず,この日記も放置してしまいました。 少し期間をおいてしまうと,なかなか本の紹介モードになることが…

反貧困

湯浅誠『反貧困 「すべり台社会」からの脱出』岩波新書,2008年 この日記は,できるだけ著作の言葉そのものにふれて,興味を持った本があれば,実際に手にとって読んでもらえたら,と思ってはじめたものです。 ただ,引用だけにすると,問題が生じる可能性も…

廃墟にみえるもの

ジンメル「廃墟」,『ジンメル・エセー集』(川村二郎編訳)平凡社ライブラリー,1999年 拘束や締切のある仕事がつづき,なかなか日記を更新できませんでした。 師走の12月は,昔も今も,たしかに走るような忙しさ。年明けの2ヶ月もそれはかわらず,3月…

生きるかなしみ

山田太一編『生きるかなしみ』ちくま文庫,1995年 二日ばかり放っておいたら,トラックバックで悪戯をされました。そこで,トラックバック,ならびにコメント欄を閉鎖しました。不愉快な画面を御覧になってしまった方にお詫び申し上げます。それはさておき・…

幸福論(1)

アラン『幸福論』(神谷幹夫訳)岩波文庫,1998年 今週はいろいろと忙しく,ブログを続ける難しさを感じました。 8月のように更新することはできなくなると思いますが,細く長く続けていきたいと考えていますので,ときどきのぞいてもらえるとうれしく思い…

ダブル・メッセージ

ジャン・バニエ『小さき者からの光』(長沢道子訳)あめんどう,1994年 私が大学4年生の時,バブル経済の泡はまだはじける気配なく,夏休みのおわりでもなおまだ,銀行が採用者を求めている,という話をきくほどだった。 私は,就職活動もせず,何となく大…

堕罪としての抽象

ベンヤミン「言語一般および人間の言語について」,『ベンヤミン・コレクション I 近代の意味』(浅井健二郎編訳・久保哲司訳)ちくま学芸文庫,1995年 ブログ開始から一月を経過しました。 このsonnenblumenの日記は,個人的な教育研究情報をアップするウェ…

精神病理学における<歴史不在>

渡辺哲夫『二〇世紀精神病理学史 病者の光学で見る二〇世紀思想史の一局面』ちくま学芸文庫,2005年 個人的なことになるが,博士論文でディルタイという哲学者・歴史家を論じた。この思想家を研究することは,たやすい仕事ではなく,いまでも出版された博士…